エアロクラフトとは

 簡単にいえば
空気をずっと入れ続けて膨らませ続ける、布で作られた大きなぬいぐるみです。
当社ではエアロクラフト=空気圧布製立体膜構造体と呼びます。
業界内では「インフレータブルバルーン」などと呼ばれています。

エアロクラフト(インフレータブルバルーン)の基本構造


空気を通しにくい布地を造形の表面形状に沿って立体的にミシン縫製し
出来上がった物の内部へ、電動送風機で常に空気を送りつづけ、
造形内部の空気圧を外気圧より上げることで造形の形状を維持させ続ける、
空気圧を利用した構造です。

膨らませる



 わかりやすく、例をあげて説明します。   

ビニール袋を用意してください。
用意した袋の口から息を吹き込みます。
袋は段々と大きくなりパンパンに膨らみました。

空気がもれないよう口を手で絞ってみましょう。


しぼむ

パンパンに膨らんでいた袋がすぐにシワシワに
なってしまいます。
それでは、また口から息を吹き込みましょう。
袋は再びパンパンに膨らみます。
ずっと膨らみっぱなしにしておきたいのですが、
このままでは息が続きません。

ドライヤー使用

 そこで、ずっと空気を入れ続けるように、
ドライヤーを冷風にして袋の口の中に差し込み、
風を送ってみましょう。
袋はパンパンに膨らんだままです。
ドライヤーのスイッチを切れば袋はしぼみます。
スイッチを入れれば、風が送られて袋は再び膨らみます。

スイッチを切らなければ、
このまま袋は膨らんだままを維持します。
これが、エアロクラフトの基礎の部分です。


ずっと空気を入れ続けているのに、なぜ袋が破れないのか?

 それは、ドライヤーの風の強さ(風圧)が袋を破るほどの強さではないため。
 空気を入れ続けて袋いっぱいになった後は空気が袋の中に入りきらずに
 ドライヤーの口から外に逆流して出ているのです。

ドライヤーの空気の吸い込み口に手をかざしてみるとかすかに空気が吹き出てくるのが
感じられると思います。

 空気を常時送り込み形状を維持させるということは、言い換えれば立体形状の袋をつくり、
そこに空気の流れの吹き溜まりをつくっているとも言えます。
内部に空気を入れ続けると袋の中の空気は溜まって膨らみ、表面が張ります。
内部の圧力が高まると圧力は均一にかかるので
空気の入ってくる送風口にも圧力がかかります。
入ってくる空気は気体なので当然柔らかく、
従って送風口から逆流もします。
また、空気はどんどん入ってきて送風口から抜けます。  

 つまり送風口には、空気の入る流れと出る流れが混在するようになるのです。

空気の出入り

実際に送風機の吸入口をよく観察すると、
空気を吸い込む部分は中央部分で、
吸入口の端の部分は逆に空気を排出しているのがわかります。
こうして入る空気と出る空気がバランスを保ち、
空気の流れの吹き溜まりである立体形状の袋は
形状を維持し続けます。

 つまり、常時送風式による空気膜構造体は、
いうなれば物質マテリアルではなく、
状態であるといえます。

内部の空気が絶えず入り替わり、
表面の袋を膨らませ続けている状態が連続しています。

 これが「エアロクラフト」、
空気圧式布製立体膜構造体のしくみです。


次は間違えられやすいバルーンとの違いについて

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