現代における子どもの成育環境について
〜次世代の子供たちのために、健全な身体の育成を促進する方法〜

昔に比べて、子どもがひ弱になったと、親をはじめ、大人たちは嘆きます。実際、例外も有りますが、体力・運動能力は昭和の子どもたちと比較して、年代を問わず平均的に低下しています。
資料:児童・生徒の体力・運動能力の10年前との比較(文部省:体力・運動能力調査より)

この原因は「運動不足」があるでしょう。体を動かさなければ、体力・運動能力がつきません。さらに、現代の食生活は、昔に比べてカロリー過多です。栄養を取れば体は成長します。しかし、体を動かさないと、必然的に糖尿病など、生活習慣病になる危険性が高くなります。
資料:6・11・14歳児における肥満傾向児童 出現率の年次推移(文部科学省『学校保険統計調査報告書』より)
資料:日本人の小児・思春期 2型糖尿病の発症率(日本糖尿病学会編)

運動不足による弊害は、体だけでなく、精神にも害が及ぶ危険性が有ります。心のストレスは運動によってある程度発散できます。ストレスを抱えた精神は、体を動かすことによって解消しようとします。その表れとして、学校内での生徒による校内暴力の発生件数が、特に小学校で平成になってから急激に増加してきました。
資料:暴力発生件数の推移(文部科学省調査:2008年5月現在)

子どもたちは「あばれたい」のだと思います。決して、単に暴力を振るいたいとか他人を傷つけたいのではないと思います。
「あばれたい」=「おもいきり体を動かして遊びたい」それができない環境だから、校内暴力という歪んだ形で現れるのではないでしょうか。
現代の子どもたちに必要なものは、子どもたちがおもいきり体を動かして遊べる環境です。その環境を、現代社会を担う世代が用意・提供すべきだと思います。こうした問題を解決すべく、国を始め様々なところで問題提起され、議論および計画・実行されています。
参考:青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談
参考:子ども環境学会

子どもたちが思い切り体を動かして遊ぶことにより、運動不足が解消され、体力・運動能力の低下を防ぎ、生活習慣病の予防、精神のストレス解消に効果が現れることと思います。それでは、現代社会で、そのような場所があるのでしょうか?人口の少ない地方には、まだまだ空き地があるでしょうが、都会・住宅密集地など人口の多い場所に、屋外で遊ぶ場所は下記のような理由で少なくなっています。
●「道」では遊べない(交通量の少ない昔は、道も子どもの遊び場でした)
●屋外遊具が老朽化により使用禁止・撤去が相次いでいる
  参考:国民生活センター「危害情報からみた屋外遊具の事故」
●子どもが被害に遭う犯罪が増えて、子どもだけで公園で遊ばせるのが不安
  資料:子どもをめぐる生活環境の不安感:第一生命経済研究所(2006年12月実施)「教育観と美術館利用に関するアンケート調査」より
●小学校の校庭は子どもが自由には遊べない(地域スポーツクラブの練習場などで使用されている)
●環境汚染の進行(大気汚染・オゾンホールによる紫外線の増加・スギ花粉の飛散など)
  資料:平成19年光化学大気汚染の概要−注意報等発令状況、被害届出状況−(平成20年2月19日:環境省発表より)
  資料:オゾン層及び紫外線の長期変化傾向について (平成18年4月28日:気象庁発表)

昨年、2007年より官公庁主導で各市町村に子どもの遊び場が設けられるようになりました。
参考:文部科学省・厚生労働省放課後子どもプラン連携推進室
活動内容は様々ですが、概ね屋内でのおとなしい遊びが主体となっているようです。しかし、現代の子供たちに必要なのは、毎日思い切り体を動かして遊ぶことができる場所です。屋外にそのような場所がない以上、子どもたちが毎日行くことができる場所(建物屋内)に、そのような場所を設ける必要性を感じます。ですが、屋内はスペースが限られています。広い場所を確保することは現実的に不可能です。そのような状況下で、子どもたちが思い切り体を動かすにはどうしたら良いでしょうか?それには運動を補助する器具が有効と思われます。運動を補助する器具として、スポーツジムのように様々な器具が有りますが、そうした器具は大人が運動不足の解消として使うもので、子どもたちがすすんで自主的に使うとは思われません。それでは、子どもたちが自ら体を動かして遊ぶ器具はどんな物があるでしょうか?

子どもはぴょんぴょん弾んで遊ぶことを好みます。そうした弾む運動器具の一つとして、「トランポリン」が有ります。

社団法人 日本トランポリン協会「トランポリン運動の特徴と価値」より
トランポリンはBouncing Bed(跳躍する寝台)とか、Rebound Tumbling(はね返りを利用した回転運動)といわれるように、跳躍を主体とした上下の連続運動である。
 ゴム・ケーブル又はスプリングとナイロン・ベッドの弾力(はね返り)を利用するので・・ 平地での跳躍の3〜6倍の高さ(滞空時間)が連続的に得られ、連続全身運動として運動量が大きいとともに練習が非常に能率的である。
 緩衝力が大きいので、足以外の背、腹、膝、よつんばい、長座姿勢でも着床ができ、且つその体勢から跳びあがってかなりの上昇が得られる。したがって運動の種類が非常に広範囲なものになるとともに、バランスをくずして着床したときでも平地やマット上の着床とは比べものにならない程衝撃が少ない。
 運動の種類が非常にバラエティーに富んでいるので、男女を問わずあらゆる年代、各個人の能力に応じて運動を選ぶことができる。
  子供がうれしいとき、ピョンピョン跳びあがって喜ぶように、トランポリンは人間の喜びの表現に通じる動きが主体となっているため楽しさがある。 一年中屋内でも、戸外でも、狭い場所で行うことができるなどの特徴を持つ。これらの特徴は単に高度化し、難度を追求して行くトランポリン競技としての存在価値にとどめおくに忍びないほど大きい意味を持っている。 それらには、幼・少年期の運動量の確保、身体支配能力の発達を目的とした調整力トレーニングとしての価値(エアリアル・トレーニング)、各種スポーツのトレーニング手段としての価値、大衆の健康生活を目的としたレクリエーション・スポーツとしての価値などがあげられる。

トランポリンの運動は「弾む」運動で、人間にとって楽しい動作であり、ジョギングに匹敵するくらいの有酸素運動でもあります。もちろん、本格的なトランポリンを設置するには、体育館など天井が高く広い場所が必要です。また、トランポリンを使って子どもたちを遊ばせるには、周りの枠に当たらないように介添が必要です。それでは、トランポリンと同じ運動ができる道具を天井の低い屋内におけるとしたら?

お祭りやイベントで見たことがあると思いますが、空気で膨らむエア遊具、これは実はトランポリンと同じ様に子どもたちに弾む運動をさせることができる、体を使って遊ぶ「体育遊具」なのです。エア遊具はトランポリンほど高くには弾みません。エア遊具は全体を柔らかくすることができるので、子どもたちを安全に遊ばせることができます。こうしたエア遊具ならば、子どもたちは自らすすんで遊びながら弾む運動を行います。
従来のエア遊具は屋外で使用されるもので、サイズが大きく、天井の低い屋内には入らないですが、屋内に設置できるエア遊具があれば、問題が解決します。
現代の子供たちに必要なものは、運動不足の解消です。
運動不足を解消するには、思い切り体を動かして遊ぶことです。
思い切り体を動かして遊ぶには、遊べる環境が必要ですが、屋外にはないので屋内に用意する必要があります。
屋内で子どもたちが思い切り体を動かして遊ぶには、子どもたちが進んで遊ぶ「体育遊具」が必要です。
上記の条件を満たすものは、屋内用のエア遊具です。

このたび当社では、天井の低い屋内に設置して子どもたちが遊べるエア遊具を開発しました。今回開発した屋内用エア遊具は、保育園・幼稚園のお遊戯室や小学校の空き教室に入るサイズになっています。

エア式体育遊具のご紹介